FAMILY 紹介

ASHINA FAMILY
 このサイトでは、ASHINA FAMILY に関連した事柄を紹介します。さしあたり、サイトの作成者である芦名定道の研究(キリスト教思想)と故芦名直道牧師を中心に、紹介を進める予定です。
 
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1.「我が家族史」(芦名直道)
2. 「ASHINA FAMILY」の紹介として、以下、芦名直道の「我 が家の継承」という文書を掲載します。

  “我が家の継承”                                  1995:8:25,舞坂
序 転向
 今日は我が家において継承されて来た事柄について話して見たい。それは私たちの祖父に溯る。芦名家の祖父は本郷の農家の次男に生まれ実業界に雄飛して函館の日本通運の支店長になり多くの使用人を持つ立派な実業家となった。その祖父が突然、実業界から宗教界に転向した事に始まるのである。

  原因
 転向の原因となったのは借財に困って居た或る友人のために保証人となって銀行から借り入れをした。それが仇となって自分自身が破産することになった。幸い自分の資産の処分によって使用人たちを困らせることは無かったが無一文となって郷里に近い仙台に帰って来た。其の際、世の中の無情を儚み宗教界に転向し神主の試験を受けて資格を取り仙台市長町の小さな神社の神主となった。その生活は極めて貧しかったので子供達が良く親に協力し苦学して世に出た。父の兄は海軍を志願し、引退後は海運会社の船長となり、戦時中は海軍に徴用されて南方ボルネオ方面で活躍して亡くなった。次男の父は祖父の感化を受けたのであろう、同じ神主を志し、小学校教員として長町小学校に勤務する傍ら、祭礼のある時には祝詞を上げたと言う。青年神主としてキリスト教嫌った父は、自ら紙芝居を作って農村を回り愛国運動を積極的に展開して居た。他方キリスト教が大事にして居る聖書を密かに購入して「敵を知り己を知って百戦危うからず」と考えて研究したと言う。この父が宮城神職会の奨学金を戴き神官としての更なる勉学のために国学院大学の講典考究所に内地留学を命じられた。
 即ち我が家の第一の転向は実業界から宗教界へであった訳だ。

  第二の転向
 この父が祖父と大変似た経験をすることとなるのである。即ち疫痢に倒れた学友の看病をして自分自身が感染した。しかも友人は経済的に恵まれて居た故に普通病院に入院したにもかかわらず、自分は貧しい故に金のかからない避病院に送り込まれた。それは良いとして神主である故に避病院に入院中の患者から色々と相談を受け否応無しにカウンセリングをさせられることとなった。
 しかも死を問われる事が多く、それに答えられず、神官としての学びが死に関して答えを出してくれず、かえって敵地視察の積もりで研究して居た聖書の言葉の方が思い出されたと言う。幸いに死に至る事なく治り家に帰って来た父は仙台荒町教会の門をたたいたと言う。やがて回心の経験を経て東北学院院長のシュネーダー先生より洗礼を受け、同時に献身して伝道者を志し東北学院神学部に入学するに至ったのである。
 即ち我が家の第二の転向は神道からキリスト教へであった訳だ。

  我が家の継承
 そこで我が家に継承されて居るものは何かと言うならば、それは宗教を信じる者としての生き方、しかもキリスト教信者としての生き方であると言えよう。祖父は生前、洗礼を受ける事なく死んだが神官を引退した後は先に勘当した息子、即ち父の伝道する白石教会を良く訪ねて父の礼拝説教を静かに聴いて居た、その姿が当時7歳になった私の心に印象的に残って忘れられない。当時写した写真も、その姿が残って居た。また94歳まで生きて私達と共に生活した母からも良く当時の話を聞かせてくれたものである。
 ちなみに母は父よりも少し先に洗礼を二番町教会で受けて献身して女子神学校に学び、続いて保育科にも学び、卒業後は福島県郡山市で婦人伝道師を暫くして居た。そして数年後父と結婚したのである。
 (父の事「回心の軌跡」、母の事「はるかに望み見て喜ぶ」、及び、父と母と妹の事を記した「父と母の記念会」、等の文章を参照の事)

  心の願い
 私たちも子供たちに決して信仰を強要したことが無く、また強要できるものでも無い。しかし幸いにも子供達が皆進んで洗礼を受けてくれた事は何よりも嬉しく、大きな感謝である。願わくは孫たち皆も、洗礼を受けて貰いたいと心から願う次第です。
 更に神様から各自が与えられて居る固有の良さを十分に生かすために、絶えず神様に直接に“僕聴く主よ語り給え”と尋ね伺いつつ歩んでほしい。また他人に阿る事をせず、自主・独立の者として自分の発想を大切にして生かして貰いたいものです。
 若し神様がお許し下さるならば代々の子孫から牧師に献身する者が現れて欲しいと願う次第です。



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