1995:10:23,舞坂
序 戦後５０年
戦後５０年と言えば、私は父武雄を天に送ってからの年月を懐かしく思い出す。父は太平洋
戦争最中に教団の南方派遣宣教師としてセレベスに赴任する途次、高雄沖でアメリカの潜水
艦の攻撃を受けて1943年(昭和18年)12月27日に死んだ。あれから数えて今年は53年目にな
る。この10月、私達は久しぶりに仙台の北山墓地に墓参に行って来た。
此処に記念に父の履歴を記して置きたい。詳細は､「回心の軌跡」(1973年発行,キリスト新聞
社)と「はるかに望み見て喜ぶ」(1987:3:8,発行)を見て下さい。父母の死と併せて、その後の家
族の歩みも記して見たいと思う。
明治時代(1890~)
・２３年５月１２日、武雄は北海道函館の日本通運社宅で父栄三郎、母こうの次男として、他
に３人姉妹の中に生まれる。
・２５年３月７日、ふじは仙台市に父一條伝と母八重の長女として生まれ、下に弟信彦と妹み
さおが居た。
・２９年４月、武雄は父の転職により仙台に移り南材木町小学校に入学。
・３１年４月、ふじは仙台荒町小学校に入学。
・３９年４月、武雄、宮城県立中学校に入学。
・ ″ ４月、ふじ、宮城県立高等女学校に入学、祖父十郎が青葉神社の社司となったので
身の回りの世話のために神社に同居して学校に通う。
・４２年３月、武雄、同校５学年卒業。
・ ″ ４月、仙台市南材木町小学校代用教員となる、１９歳。
・４３年３月、ふじ、県立女学校卒、引き続き補習科に入学。
・４４年３月、武雄、同校退職、東北中学校予備校(夜間)に学ぶ。
・４４年４月、ふじ、補習科卒と同時に小学校に勤務、同僚に誘われ仙台日本キリスト教会
（日本基督教団仙台一番町教会）に通う。
大正時代(1912~)
・１年８月３０日、武雄、宮城県の神社祭式講習を受ける。
・ ″ ９月１０日、武雄、県神職会より奨学金を得て国学院大学史学科、皇典考究所に入学。
・ ″ １１月３日、ふじ、萩原牧師より授洗、20歳。
・ ″１２月２０日、武雄、チブス感染、避病院に入院。
・ ″１２月２５日、武雄、宮城県知事より社掌資格を授与さる。
・２年１月１０日、武雄、同上病院退院、帰郷。
・ ″４月１０日、武雄、仙台市茂ケ崎小学校代用教員となる。
・ ″４月 、ふじ、婦人伝道師となるため東京小石川の聖経女学校に入学、併せて保育
科に学ぶ。
・ ６月１３日、武雄の母、５年間の闘病後、死去。
・ ８月夏休み、武雄は聖経学院学生一條ふじと出会い婚約。
・ ９月１０日、国学院大学を退学。
・ ９月３０日、茂ケ崎小学校を退職。
・ １０月１０日、東北学院英文科に入学。
・ １２月７日、荒町日本キリスト教会でシュネーダ氏より受洗､２３歳｡
・５年３月２５日、武雄、東北学院英文科を卒業。
・ ４月 、東北学院神学科に入学。
・ ″ 、ふじ、郡山福音教会に婦人伝道師として赴任。
・８年１月２３日、仙台キリスト教会員一條ふじと荒町教会で結婚、23歳｡
・ ３月２５日、武雄、東北学院神学科卒業、２９歳。
・ ４月２４日、武雄、日本キリスト教会東北中会で准居を受け、弘前日本キリスト教会に就
任、開拓伝道に従事。
・ ９月 武雄、東北学院中学部復興のため要請され仙台に帰る。
・ １１月１日、武雄、白石日本キリスト教会牧師に就任。
・９年６月１４日、長男、直道誕生。祖父十郎死去。
・１１年８月１日、長女、道子誕生。
・１３年５月１５日、日本キリスト教会東北中会で安手礼を受ける。
・１４年１月２日、次女、能子誕生。
・ ９月 、二年間の約束でアメリカ・サンフランシスコのサンアンセルム神学校に留学。
・１５年７月３１日、アメリカ・カリフォルニア・サクラメント日本人長老教会牧師に招聘されて就
任し家族が呼び寄せられる、
ふじの妹操死去(23歳)。
・１５年（昭和元年）１２月、大正天皇死去、年号が「昭和」と改まる。
昭和時代(1926~)
・２年９月２８日、サクラメントＱの８牧師館で三女恵子誕生、武雄の父栄三郎死去(63歳)。
・４年１月１３日、次男、信道がＭストリート牧師館で誕生。
・７年１２月５日、京城若草町日本キリスト教会牧師に招聘されて就任、ふじの母八重子死去
(65歳)。
・９年１２月２８日、甲府市の山梨日本キリスト教会牧師に招聘され就任。
・１０年４月 、直道、県立甲府中学校に入学。
・１５年４月 、直道、日本神学校に入学(紀元2600年と称した年)。
・１６年４月 、道子、名古屋金城女子大英文科に入学。
・１６年１１月２６日、日本キリスト教団成立。
・ ″ １２月８日、太平洋戦争勃発。
・１８年４月 、能子東京女子大学数学科入学、教団立神学校設立さる。
・ ９月６日、教団富田統理より南方派遣宣教師の内命を受ける。
・ １２月７日、直道の横須賀海兵団入団と共に武雄、甲府を出発。
・ ９日、乗船予定の「久営丸」座礁のため一時帰宅・待機。
・ １２月２７日、武雄、第一回教団南方派遣宣教師団長として同僚牧師と共に赴任の途次、
・ 高雄沖でアメリカ潜水艦の攻撃を受けて沈没・死去､
(53歳､長男23歳)。
・１９年８月 、ふじの弟信彦死去す(45歳)。
・２０年７月 、甲府市アメリカの爆撃を受けて全焼、家族は信徒三神宅に避難、間借りして
敗戦を迎える。
新生日本(1945~)
・２０年８月６日(9)、広島と長崎に原子爆弾投下さる。
・ ″ ８月１５日、ポツダム宣言を受諾、無条件降伏。
当時青年学校教師をして居た道子が学校廃止と共に山梨県庁の通訳に採
用さる。
・ ″ １０月４日、宗教団体法廃止さる。
・ ″ １２月 、直道、神学校に復校、夜間ＧＨＱ通訳としてアルバイト、家族皆仙台に帰り市
営住宅に住み、道子は宮城県庁通訳に転職、能子は復校を断念して進駐軍家族のメイド
に、恵子は洋裁学校に、信道は建築者養成所に入り夫れ夫れ新しい道に進む。
・２１年６月９日、信徒大会が青山学院で開催、新日本建設キリスト運動−3年計画−発足。
・ ″１０月１６日、教団総会は教憲・教規を制定して再出発を図る。
・２２年１月 、全国農村伝道協議会が開催、農村伝道25ケ年計画が制定。
・ ″ ４月 、直道、神学校卒、東北教区で准い、奥羽教区秋田長町教会に赴任、能子・恵
子・信道が牧師館に同居、伝道を助け、能子は幼稚園教師、恵子は炊事、信道は家具会
社。
・ ″ ６月 、片山内閣誕生す(初めてクリスチャン総理誕生)。
・ ″１０月 、中央農村教化研究所と農村伝動神学校が日野に誕生。
・２３年８月 、ヘレンケラー女史の来日。
・２４年２月４日、直道、田口良子と結婚、２８歳。
・ ″１１月３日、道子、田口誠一と結婚す。
・ ″ 、日本宣教９０年記念伝道実施。
・２５年６月 、ラクーア音楽伝道開始。
・ ″ ７月 、能子、神学生宮腰文次郎と婚約。
・ ″ ８月 、直道、２年間の留学のため渡米、良子、能子は引き続き幼稚園教師として秋
田に残る。
・ ″１２月１１日、直道留学中に長男、守道誕生。
・２６年９月１２日、直道留学中に恵子、上亨と結婚。
・２７年４月 、良子と能子は賀川豊彦の勧めにより宮内教会再建と幼稚園開設のため宮内
の牧師館に移り住む。
・２７年８月 、直道帰国、新庄教会に赴任、宮越兄夏季伝道応援。
・２８年４月 、能子、東洋英和保育科に入学。
・２８年４月 、長女順子誕生。
・ ″ ８月 、誠一アメリカ留学、道子聴講。
・ ″ ９月 、教団第一回宣教会議開催。
・２９年９月 、北海道丸沈没､ストーン宣教師死去。
・３１年２月 、ビリーグラハム来日伝道応援、東南アジア農村指導者養成所が中央農村教
化研究所に開設される。
・ ″ ７月 、次男定道誕生。
・３２年９月 、ワールド・ビジョンと日本クリスチャンアカデミーの来援を受ける、また東北特
別開拓伝道計画実施さる。
・３４年４月 、次女くに子誕生。
・ ″ ９月 、宣教百年記念伝道実施。
・３５年１０月、宣教第二世紀基本方を作成、体質改善と伝道圏伝道伝道を根幹とする１０ケ
年伝道計画決定。
・３６年６月 、日本クリスチャン・アカデミー誕生す(CPC､本部ブラハ)。
・３７年 、自立連帯資金(10億献金)の立案と実施｡
・３９年１０月、新庄アカデミー・ターグング開設。
・４１年２月 、直道、山形市の森谷学園理事となる。
・４２年３月２６日、教団戦争責任を告白。
・ ４月 、東京神学大学三鷹に移転。
・ １０月、教団創立２５年記念大会(大阪女学院)と自立路線決定。
・４４年４月 、守道東北学院大学史学科入学。
・ ″ １１月、万国博覧会キリスト館の設置反対運動浮上。
・４６年４月 、山形英会話アカデミーを開設。
・４７年４月 、順子東北学院大学英文科入学。
・ ″ １２月、ＣＨＩ(クリスチャン･ホスピタリティー･インターナショナル)開設、直道第一回留学
生を引率渡米。
・４８年２月２２日、道子、昇天、５０歳。
・ ″ ４月 、守道東北学院卒、東北大研究生となる。
・ ″ １２月、「回心の軌跡」-神主から牧師になった芦名武雄の生涯をキリスト新聞社より
発行。
・４９年４月１日、直道福島教会に転じ(53歳)、守道福島県庁文化課に就職、福島教会牧師
館より通勤。
・５０年５月 、直道、東北教区議長に選出さる。
・５１年４月 、定道、京都大理学部入学。
・ ″ １１月、教団に年金局が設置される。
・５２年４月 、福音主義教会連合設立。
・ ″ １１月、三神文彦とイスラエル14日間、旅行。
・５３年４月 、くに子、浜松衛生看護短期大学看護科に入学。
・ ″ ８月 、守道、ランカスター神学校留学。
・５４年４月２０日、文彦死去、８月８日、遠藤栄先生死去。
・５５年４月 、守道、帰国聖書神学校入学、キリスト新聞編集部勤務、定道、理学部卒、哲
学科３年に編入学。
・５６年４月 、くに子、国家試験に合格、三方原病院に就職。
・６４年１月７日、昭和天皇死去、年号が「平成」と改まる。
・６５年８月 、世界宣教セミナーがアジア学院で開催。
平成時代 (1995~)
・６年１月２８日、芦名定道哲学博士号を取得。
・７年５月２８日、甲府中央教会に招かれ説教。
″６月１６日、戦後５０を記念して広島〜長崎の原爆地を訪問。
・ ″８月１５日、無条件降伏５０年記念に各地各会で各種の総括行われ、私も其れに倣い
自分自身の総括を始める。
・ ″ 15~16､ 家族のリニューニオンを乙女園で実施する。
・ ″９月２２日、町田晃、医学博士号を取得。
・ １０月16~20日、仙台墓参と子供達訪問実施。
・ １１月13~17日、白浜温泉に私学共済退職者パック旅行に参加。
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